ビジネスコンサルティング 事例

大手サービス業での利益構造改革の支援
担当:トランスフォーメーションデザイン&デリバリー、ファイナンス

大手サービス業のクライアントは、人口減少や各種規制見直しなどの外部環境変化に伴い売上・利益ともに減少傾向が続き、これまでの戦略やオペレーションでは利益成長が難しい状況でした。そんな中EYは、ビジネスモデルや利益構造、それを支えるオペレーションやインフラの抜本的な見直しを支援。役員との集中ディスカッションや実地調査・営業同行も複数回実施し、数多くのステークホルダーとの連携のもと、プロジェクトを推進しました。

苦労したのは、全社横断的かつ広範なテーマの分析です。いかに迅速に分析するか、そしてその結果を統合して骨太な戦略に昇華できるかがプロジェクトスタート時の大きな課題でした。これに対応するため、人事やファイナンスなどEY内の専門家とチームを組成し、EYの総合力を最大限活用する体制で挑みました。

プロジェクトでは、定量的な分析だけでなく、役員・現場の皆様と膝詰めで仮説構築・検証を繰り返すことで、インパクトと実効性を最大限に高めることを意識しました。結果として、コスト面での効率化だけではなく、クライアントの強みに基づいたビジネスモデルや意思決定基準・プロセスの見直しといった本質的な提言・実行につながりました。

データ分析はもちろん必要ですが、それ以上に現場の方々の何気ない一言に重要なヒントが隠されています。それらを敏感にキャッチすること。そして、「論理的な正しさ」のみならず、「ワクワク感」や個々のコンサルタントの人間的魅力で現場の皆様に語りかけること。そうしたあらゆるスキルを総動員して初めて変革は成就できるということを実感したプロジェクトでした。

メンバーの声

シニアコンサルタントとして、サービスモデル改革領域を担当し、営業生産性向上、サービスモデル革新、フロント部門のリソース配置最適化に取り組みました。

今回のプロジェクトは、これまで何十年と引き継がれてきたクライアントの「勝ちパターン」を大幅に見直すことが必要でした。「これまでのやり方」での成功体験や思い入れが強いクライアントに対し、いかに納得性・実効性を高めることができるか。このハードルを乗り越えるため二つの工夫をしました。

一つ目は、課題意識の高い現場の方を特定し、その方と密にディスカッションすることです。これにより「現場の悩み」や「真の課題」への理解が深まり、納得感を高めるための仕掛けを設計するうえで多くのヒントを得ることができました。

二つ目は、課題解決のため、異なる専門性の組み合わせによる提案です。例えば、サービスモデルの見直しについては、人事上の報酬体系の設計と組み合わせることで、より実効性を高めることができました。まさに、EYの総合力が大きな強みになることを再認識できた経験となりました。

大手機器製造会社での新規事業開発・サービスデザイン支援
担当:カスタマーエクスペリエンス・トランスフォーメーション

従来「強み」であった分野が、テクノロジーの進化や海外企業の台頭によってコモディティ化が進む。当クライアントも例外ではなく、これまで関係性の強かった代理店が他社製品を扱うようになるなど、顧客接点の抜本的な見直しが迫られていました。

EYは、こうしたビジネス環境の変化に対応するため、同社のビジネスを転換するためのサービスデザインを支援。具体的には、企画構想、要件整理、プロトタイプ開発等を行いました。

クライアントは、過去にもサービスシフトを構想し、様々な企画を行ってきましたが、いずれも経営層がそのサービスの形・ユーザの体験シーン・メリットのイメージ持つことが出来ず、具体的な仕様検討を進められずにいました。

そのため本プロジェクトでは、企画構想工程からUXデザイナーやエンジニアが参画し、サービスのプロトタイプやイメージ動画を作成。経営層に実現すべき将来像を明確に伝えました。それにより本格検討へのステップを獲得し、PoCやサービスローンチまで継続して支援を行いました。

本プロジェクトは、同社にとって、大きなブレイクスルーとなりました。さらに、それを連続的、再現性をもって同社のルールのひとつに組み込むことができことは、DXを定着化させる取り組みとしても大きな意義があったと言えます。

メンバーの声

ディレクターとして、サービスデザインを通じて顧客体験や顧客接点を抜本的に見直すDXプロジェクトを牽引しました。

クライアントは過去にも同様のプロジェクトを立ち上げては頓挫することを繰り返しており、本プロジェクトも冷ややかな空気の中始まりました。

EY側は、コンサルタント、UXデザイナー、エンジニアの混成チームを結成。それぞれ異なる強みを持つメンバーが、互いを信頼し、シナジーを創出することでいかに短期間に経営との合意形成に結びつけられるかが勝負でした。

コロナ禍の完全リモートという環境で、普段であればすぐ気づくようなことも気づくことができません。意見の衝突や軋轢を繰り返しながらも、「圧倒的なサービスを作る」というミッションのもと、チームメンバー、そしてクライアントとコミュニケーションを重ねたことで、まさに「共創の場」を経験できたプロジェクトでした。

日系グローバル製造業に対する戦略的リスク管理導入支援
担当:エンタープライズリスク

国内外に100以上の拠点を持つクライアント企業は、海外を含むグループ企業全体としての統一したリスクマネージメントシステムが存在しないといった課題を抱えていました。

そこでEYは、グローバルリスクマネージメントシステムの導入に向け、中長期的な価値創造および国内外事業の連携強化という目的のもと、トップダウンアプローチによるリスク管理の導入支援を行いました。トップダウンアプローチとは、欧米のグローバル企業で採用が進んでいる手法で、著しい環境変化が事業経営にもたらすリスクをスピーディに把握することを可能とするものです。

具体的には、経営者目線で事業計画とバリューチェーンの2軸で外部環境分析を行い、ブランド毀損や消費者志向の変化など、中長期的な価値創造の障害となる要因の特定や、その解決策の検討を行いました。

こだわった点は、クライアントにとってのベストプラクティスについて、クライアントと同等かそれ以上、真剣に考え抜き、より良い道筋を目指して進めたことです。EYの知見と実績をフル活用し、かつ、新たな取り組みを推進しました。

トップダウンアプローチによる戦略的リスク管理を導入したことにより、クライアントは中長期的に価値を創造する基盤として、経営戦略や事業計画に重要な影響をもたらすリスクをいち早く認識し、対処する仕組みを構築することができたと言えます。

クライアントの経営陣、担当者とEYとが一体となり、One Team体制でプロジェクトを推進できたことで、プロジェクトを成功に導くことができました。

メンバーの声

本案件ではプロジェクトマネージャーとして、メンバーへの作業指示や作成物の品質管理、またクライアント応対を担いました。

クライアントからは過去に前例がない先進的な戦略的リスク管理手法を導入することが求められていたため、何が正しいことなのかを自らに問いながら取り組む必要がありました。

一般的なコンサルティング業務においては、ベストプラクティスや先進的企業をベンチマークし、案件に取り組むことが多いのですが、本案件では、まさにベストプラクティスそのものを作ることが求められていたため、パートナーを中心に議論や検討を繰り返しながら、アウトプットを行いました。

そのようにクライアントに寄り添いながら進めたことで、最終的にはクライアントからの深い信頼を得ることができました。また、プロジェクトチーム一丸となり検討を行ったことで、他社にも参考にされるような先進的なリスクマネジメントの仕組みを築くことができたと考えています。

インド グローバル・ビジネス・サービス(グローバル規模の業務集約センター)立ち上げ支援
担当:ファイナンス

加速するグローバル化と技術革命の波により変化し続ける市場環境において、グローバル大手製造業のクライアントは、安定成長のみならず更なる収益拡大を実現するためのコーポレート機能とガバナンス体制の構築が課題となっていました。

そのような中クライアントは、従来のコスト削減の実現だけでなく、M&AによるPMIや新興国への展開を含めた各国現地法人におけるコーポレート機能の業務プロセス標準化、経営インフラ基盤高度化、グループ内間接部門集約による効率化とガバナンス強化といった目標を掲げていました。
それを実現するのが、組織・業務の効率化・高度化・内部統制強化をもたらすGBS(Global Business Services)の導入です。我々EYは、当改革において、スコープである「経理財務」「調達」「人事」において目指すべきゴールの設定から、業務分析、導入、稼働安定化までEnd-to-Endで支援しました。

当初は、インドにGBS設立を決断した本社の狙いと、業務を委託する側、受託する側それぞれの考え方の相違から、国を跨いでステークホルダー間の意見に違いが続いていました。
そこでEYは世界各地でのGBS支援の実績や知見を結集。意見の相違のある中、定性/定量的にグループ全体での利益を最大化するためのアクションを検討することに加え、各ステークホルダーの考えを深く理解した上で、それぞれが享受できるメリットを集中的に説明するなど、ステークホルダー間の合意形成を訴求していきました。
結果として、プロジェクト全体で向かうべき方向性について、クライアント内での意思統一を実現し、強い推進力を得ることができました。これは、全体最適を見据えながらも、各ステークホルダーの思いに寄り添い、いかに巻き込みを図れるか、そして、それを実現するために必要な熱いパッションをクライアントとともにプロジェクトチームとして共有することができるか、これがクライアント組織変革の実現において極めて重要であることを示しています。

GBS立上げ後には、本来の目的である、業務効率化、高度化、内部統制強化を実現したことにより、グループ会社の新事業においてもGBSの優れたサービス管理の仕組みを応用しようという取り組みが開始されました。

本プロジェクトを通し、クライアントは機能の最適配置を実現し、そこで働く社員一人一人は役割が明確化されることでやりがいを感じる職場環境が実現できたと感じています。これは、我々にとって、EYのパーパス(存在意義)であるBuilding a Better Working World(より良い社会の構築を目指して)の実現を実感した経験であり、EYで働く魅力を強く感じさせてくれたプロジェクトでした。

メンバーの声

Financeチームのマネージャーとしてプロジェクト初期からコアメンバーとして参加しました。

プロジェクト参画当初は、関係者が多く、それぞれが求める利益が異なる状況下において、いかに共通のゴールに納得感をもってプロジェクトに貢献してもらうかという点について、進める難しさを感じました。

そこで、「握り拳と握手ができない」と言われるように、本社が考える最大利益が何かを説明する前に、各関係者視点での利益は何かを理解することに注力しました。それによって、グループ全体利益最大化に帰する判断であっても、各関係者視点でのメリットが何かを説明することができ、高い納得感を得る形でプロジェクトを推進することができました。その結果、1年半以上のプロジェクトでしたが、大きな遅延やインシデントの発生無く、当初クライアントが目指していた目標を達成することができました。

大手生命保険会社およびシステム子会社に対するDXを見据えたアジャイル開発プロセス導入支援
担当:エンタープライズリスク、消費財・小売流通

保険業界では、生体情報を基にした保険商品の開発や非対面営業の促進など、デジタル技術を活用した取り組みが重要視されています。しかし旧態依然 としたシステム開発体制や、いまだに稼働しているレガシーシステムの問題が解決されず、「2025年の崖」を克服するためにデジタル化推進が急務とされていました。当クライアントも例外ではありません。

そのようなスピーディかつ柔軟なシステム開発への要請に応えるために、クライアントはアジャイル開発の導入に取り組んでいましたが、金融機関として求められる統制、開発体制、システム規模・複雑性などが原因となり、導入が難航していました。

そこでEYは、クライアントの開発体制やシステム構成に適した形で、アジャイルの考え方をどのように取り込み、開発の効率化や品質の向上をいかに実現するかを検討することにより 、アジャイル開発プロセスの導入・定着化を支援しました。

しかし開発プロセスを定義して考え方を提示するだけではアジャイル開発を定着化することはできず、何故アジャイル開発が必要なのか、アジャイルに取り組むことの本質は何なのかといったことを開発担当者に理解・浸透させる必要がありました。

具体的には、自発的にユーザー部門と協同で開発を進められるプロジェクトの姿や、アジャイル開発に必要なデザイン思考の考え方などを整理したマニュアルによる勉強会、Teamsなどを活用した情報発信、マインドセット変革のための研修の実施などを通じて、社員の意識変革、企業風土変革に対する取り組みを継続して実施しました。
結果として、少数のトライアル案件を実施し、改善点を明確にした上で、適応案件を順調に増やすことができました。今後は、更に多くの案件への適用を目指して研修・教育を行っていく予定です。

実際に、アジャイルの取り組みに対する自発的な活動が増えているなど、アジャイル実現に必要な意識改革・企業風土変革についても着実に根付いてきています。
アジャイル開発の適用は、単にプロセスの適用ではなく、企業文化の変革と同等のものです。ルールやマニュアルに従えばできるというものではなく、常に自発的な対応が求められます。社員の意識変革を起こすために協力者を育成し、ムーブメントを起こすこと。それがいかに難しいかを学んだ案件となりました。

メンバーの声

シニアコンサルタントとして、デジタルガバナンスをベースとしたDXの推進支援を担当しました。

アジャイル開発プロセス導入の推進における主担当として、クライアントとの調整、マニュアル等の作成、研修などを実施しました。

クライアント側は、システム部門およびシステム子会社の部課長層の10数名程度です。

アジャイル開発のプロセスを定義し、開発を実施するためには、クライアントの意識改革や企業風土変革が重要となりますが、いかに関係者の納得感を得られるかが難しいと感じました。
アジャイル開発の特性上、ルール通りにはいかず、トライアンドエラーが繰り返されますが、従来のプロセスとの乖離が大きいためクライアントから反発の声が挙がることもありました。
そのためプロジェクトメンバー内でディスカッションを重ね、トップダウンアプローチの必要性を発信するとともに、開発担当者との粘り強い会話を通じた社内への浸透を促進することで、少しずつ理解者を増やしていきました。

結果として、担当者の積極的な取り組みも徐々に増え、新たなプロセスに対する理解者も多くなってきており、クライアントからも感謝されています。

グローバル化学品製造会社におけるシンガポールへのサプライチェーン機能集約支援
担当:サプライチェーン&オペレーションズ

大手グローバル化学品製造会社のクライアントは、アジア全体において事業が大きく成長している反面、国別に異なるサプライチェーン管理が行われており、機能の重複や物流、製造、調達が複雑化していました。

加えて、サプライチェーン管理のスキルレベルにおいても国別の差がありアジア地域におけるベストプラクティスの展開とコントロールタワーが必要とされていました。

EYは、こうしたサプライチェーンの課題に対応するため、第一段階としてアジア貿易の中心地であるシンガポールへの調達機能の集約を支援し、それに続き第二段階として物流、間接購買、製造そしてS&OP(Sales and Operations Planning)などのサプライチェーン機能の集約を一貫して支援しました。

サプライチェーン機能の集約には、3つのバランスをとる必要がありました。
1つ目は、効率と品質のバランスで、集約する機能と、現状維持とする機能を切り分ける難しさです。シンガポールへの機能集約により、今までのサービス・品質レベルを保ちつつ、事業効率を上げることが求められました。
2つ目は、サプライチェーンの機能集約による効果と税効果のバランスで双方の効果を最適化する必要性があったことです。
3つ目はカルチャーバランスです。様々な国のステイクホルダーとの調整が必要となりチェンジマネジメントが非常に重要な要素となりました。

プロジェクトの成功要因は、組織を超えたEYのコラボレーションの力です。アジア全体にわたるプロジェクト展開、また、新しいサプライチェーンモデルへの移行による移転価格や間接税への影響を考慮する必要がありましたが、コンサルティング部門単独では最適な体制が構築できないと判断。EY税理士法人やJOB(Japan Out Bound:日本人の現地駐在員)を介して、他国のEYメンバーとチームを組みながら、グローバルファームとして一つとなり、サービスを提供できました。プロジェクトは約2年間におよび、サプライチェーン機能を集約することにより、規模の経済による調達コスト低減、製品・原材料在庫の適正化、オペレーショナルコストの低減などの効果を創出することができました。

メンバーの声

SC&O(Supply Chain and Operations)のアソシエート・パートナーとして、製造業製造行向けにサプライチェーン・プランニング領域のコンサルティングをリードしています。

当プロジェクトでは、EY税理士法人、JOB、APACコンサルティングチームなどを含めると20名体制で推進しました。日本のコンサルティングからは8名が参加しました。

クライアントは、アジア地域のCEOがオーナーとなり、サプライチェーン部門、調達部門、製造部門、財務・税務部門など組織横断の体制で参加しました。

苦労した点は、クライアントの商流や物流、サプライチェーン組織、運用しているシステムの把握など、アジア地域に存在する法人全ての洗い出し作業です。可視化に多くの時間がかかりましたが、それ以上に、国ごとに異なる税制や法規制への対応も求められました。あらかじめ前例や他社事例などからAs-Is調査のポイント整理、To-Beオペレーションモデルのパターン化を行いましたが、大変困難な業務でした。

また、必要とされる知見がサプライチェーンにとどまらず、税務、財務にも及んだため、難易度が高い案件でしたが、領域別のSME(Subject Matter Expert)がコラボレーションによりフレームワークを設定することで、検討すべきポイントに集中して推進することができました。プロジェクト参画当初は、仕事のスケールの大きさに「本当にこの改革を果たせるのか?」といった不安がありましたが組織・人材配置・業務・システムが一つ一つ変化していくのを目の当たりにし、プロフェッショナルとしての仕事ができたことに誇りを感じました。またお客様からもEYの総合力の強さに関して非常に高い評価をいただき、現在も提案機会があれば必ずお声がけを頂けています。

ESG経営および全社的リスク管理の高度化支援
担当:エンタープライズリスク、ストラテジックインパクト

消費者視点で独自の価値とブランドをグローバル展開する製造小売企業は、ESG経営を推進しているものの、期待どおりの外部評価が得られていないという課題を認識していました。このような状況において、企業にとって重要な社会課題を特定するとともに、課題の明確化、内外部環境の考察、目標とKPI設定などを通し、ESG経営をうたう企業として相応しい運用体制の高度化支援、開示内容の改訂支援を行いました。

さらに、サスティナブル経営を実践するためのリスク管理体制と運用について、現行課題の洗い出しを行うとともに、サプライチェーンにおけるリスクを認識・評価、対応方針を検討することにより、リスク管理のPDCAを実践できるよう支援しました。

プロジェクトでは、ESG経営および全社的リスク管理のあり方など、目指すべき姿についてのディスカッションを重ねていきました。 様々な観点で考え方を整理し、方向性のオプションを提示していくことにより、クライアントとの関係を構築することができたと考えています。

工夫した点は、ESG経営とそれに紐づく全社的リスク管理に関して、クライアント関係者の方々がそれぞれの立場で異なる考えを持つ中、推進担当部門が合意形成を図るために有用な助言を提供し、またアウトプットのイメージと作業の進め方を明確にするための協議にプロジェクト開始前から多くの時間を割いた点です。リスク管理体制上の様々な課題がある中、伴走型でありながら、PDCAサイクルをクライアント自ら回す仕組みに関して、細部にわたるノウハウの提供を行いました。

最終的には、これまで独自の考え、取り組みによるESG経営、リスク管理であったところから、ステークホルダーから理解と支持を得られるグローバル水準への引き上げを成し遂げることができました。

リスク管理活動が法規制、コンプライアンス対応に偏っている企業において、経営方針や事業戦略に紐づける形で、リスク管理の位置づけや有用性を再定義できたことは本プロジェクトの成果であったと考えています。また、それらのリスクをクライアントが直面する状況に沿って、仕組みに落とし込んでいくことで、我々が提供するサービスがクライアントにとって実効性の高いものになることを改めて認識しました。

メンバーの声

CPR(Consumer Products & Retail industry)セクターのディレクターとしてEM(Engagement Manager)を担当しました。

本プロジェクトは8名3チーム構成で推進しました。クライアントのリスク管理体制をどのように改善しPDCAサイクルを回していけるか、構想策定することが非常に難しいプロジェクトでした。

限られた時間の中でメンバー全員が膨大な成果物を作成し、クライアントと幾度となくディスカッションを重ね、合意形成していった結果、プロジェクトの継続に繋がりました。 「クライアントの立場になり、求めていることを形にする」ことの重要性を改めて学びました。

S4/HANA導入に伴う、グループで統一した内部統制の再構築
担当:テクノロジーリスク

大手グルーバル食品製造業のクライアントでは、各国のグループ会社に複数のシステムが乱立し、独自運用されていたために、データフローの断線が発生するという課題に直面していました。また、グループ全体の統制水準にばらつきがあり、統一した評価を行えないために脆弱性の把握が難しく、DXガバナンス体制の構築が困難な状況にありました。

そこで、グローバル統一のERPシステムの導入に際し、EYはデータの保存方法やフローを統一し、グループ全体の内部統制構築や、日本の親会社側でのデータを活用したモニタリング体制の構築を支援しました。

当クライアントはIT監査で関与している監査クライアントであったということもあり、長年良好な関係を築いていました。FAIT(Financial Audit IT)チームには、クライアントグループのIT環境を横断的に把握しているメンバーもいました。

そのような関係を活用し、EYはアドバイザーとしてクライアントと一体となり、リスク調査・分析結果について議論を行い、IT統制を多く含んだ内部統制の再構築と、データを活用したモニタリング体制の構築に成功しました。

クライアントのIT環境を横断的に把握していたEYは、プロセスの再構築だけでなく、根本原因としてのITガバナンス体制について、クライアントへ有益な助言を行うことができました。

メンバーの声

FAITチームのマネージャーとして、プロジェクトリーダーを担当しました。

本プロジェクトでは、グループ子会社において乱立したシステム間のデータフローの標準化、システムの活用による内部統制の共通化が喫緊の課題でしたが、その前提となる現状理解に多大な時間を費やすこととなりました。

EY、クライアントともに、監査に関わっているメンバーが中心となるプロジェクトであったため、関係者間のコミュニケーション自体は円滑でした。しかし、通常の監査で接する機会のない外部委託先や海外子会社に協力を求める場面では、依頼の意図が上手く伝わらず、情報のやり取りに苦労することがありました。

そのような場面では、EYメンバーだけで解決しようとせず、クライアントと一体となりクライアントファーストの精神で、より誠実な対応を心掛けました。また、我々FAITチームは、監査の過程で1800社のIT環境を評価する立場にあり、IT統制に関する膨大なナレッジを蓄積しています。このナレッジに基づき各種情報提供や助言を行うことで、外部委託先や海外子会社からも徐々に信頼頂けるようになりました。

結果、後半に差し掛かるにつれ、プロジェクトはスムーズに進み、クライアントともより良い信頼関係を築くことが出来ました。