
顧客体験
Customer Experience Transformation
鉄道会社の次世代コンタクトセンターDX変革支援
老朽化から革新へ―鉄道サービスの未来を創る問い合わせ体験向上
鉄道会社である当クライアントでは、カスタマーサービス部門が中心となって全社に顧客起点経営を浸透させようとしており、その中でコンタクトセンターは、年間数百万件の問い合わせに対応する重要な顧客接点です。しかし、従来のオンプレミス型システムは老朽化し、回答リードタイムの長さ、情報共有の非効率性、FAQ更新の遅延やセキュリティリスクなど、複数の課題が顕在化していました。
オペレーターは複数画面を行き来しながら対応するため、顧客体験の質にばらつきが生じ、現場の負荷も増大。加えて、顧客の声を経営・事業戦略に活かすためのデータ分析基盤が整っておらず、改善施策のスピードが遅れるという構造的問題もありました。
こうした背景から、EYは既存システムを全面リプレイスし、SaaSを中核とした新アーキテクチャへ刷新する提案を行いました。クラウドCRMの導入により、顧客対応のスピードと精度を飛躍的に向上させる仕組みを構築。これは当クライアントにとって初の大規模SaaS導入プロジェクトであり、単なるシステム更新ではなく、顧客体験を企業文化にまで昇華させる挑戦です。
EYの体制とそれぞれの役割
多様な専門家が集結―挑戦を支えるチーム組成
EYは鉄道×CX/コンタクトセンターに対峙(たいじ)するにあたり、CXTと公共・社会インフラセクターの混成チームを構築し、それぞれの専門性を持ち寄ることで、プロジェクト主管部であるカスタマーサービス部門へ構想策定から運用設計・テスト・リリースまでを一貫してご支援しております。
プロジェクトチームは、パートナー・ディレクター・シニアマネージャーを中心としたチームリードと、シニアコンサルタント3名、コンサルタント1名の計7名を中心に構成しています。
このメンバーで、標準機能を最大限活用するFit to Standard という原則をプロジェクト内で徹底したうえで、コンタクトセンターの主管部である本社カスタマーサービス部門のみならず、コンタクトセンター子会社の経営企画・各センターの課長・スーパーバイザーといった現場に寄り添った実装を実現しています。また、ビジネスサイドに加えてクライアント側のシステム主管部・IT子会社・ベンダーと徹底した議論を行い、コンタクトセンターリプレイス・高機能化を推進しており、社内外において多様なバックグラウンドを持つメンバーが協働し、課題解決に挑む環境は、成長を求める人にとって最高の舞台と確信しています。
クライアントに提供したEYならではの価値
世界標準の知と、現場密着の実装力
EYの強みは、これまでの大規模コンタクトセンター改革で培った定石理解、グローバルでの最新のコンタクトセンター知見、鉄道業への知見の掛け合わせたプロジェクト推進力です。
鉄道業は、安心・安全を第一に、遅延・運休・振替輸送といった場面で、リアルタイムで正確な情報を提供する責任があり、そのような有事においては、膨大な問合せ量となります。
また、コンタクトセンター単独で完結しないケースも多く、各支社や、駅現場・車掌区、デジタルサービスの主管部など、様々な部門との連携が必須となります。
そのため、リプレイス・高機能化においては、複数部門・多数のステークホルダーそれぞれの立場と課題を理解していくことが求められており、鉄道業×コンタクトセンターそれぞれの知見を持って推進することが求められており、そこへの価値提供ができているものと思慮しています。
鉄道という社会インフラの“止められない現場”を動かす挑戦
世界標準の知と、現場密着の実装力
このプロジェクトならではの難しさは、鉄道業界特有の運用制約と、複雑な業務プロセスを刷新する責任の重さにありました。鉄道のコンタクトセンターは、運行情報や安全案内を扱うため、誤情報は安全リスクに直結します。しかも、災害や遅延時には問い合わせが通常の数倍に急増し、ピーク時でも止められない業務を維持しながらシステムを切り替える必要がありました。これは、一般的なコールセンターのリプレイスとは次元の異なる難易度です。
さらに、現場には長年の慣習や複雑なエスカレーションフローが存在し、「変えるべき部分」と「残すべき部分」を見極める合意形成が不可欠でした。複数部門との連携ルールを再設計し、災害時対応や多言語案内など、鉄道ならではの要件を組み込むことも大きな挑戦でした。導入後は、オペレーターの負荷軽減と顧客対応品質の均質化を実現。「止められない現場で、業務の仕組みを変える」――その責任感と達成感は、このプロジェクトならではのやりがいです。
チーム紹介

顧客体験
リーダーメッセージ

