EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(EYSC)

サプライチェーン&オペレーションズ
Supply Chain & Operations

日本のものづくり力を取り戻すために。
傷んだサプライチェーンを長期的な目線で回復させていく

サプライチェーン&オペレーションズ
パートナー
平井 健志

ディレクター杉浦 紫乃

近年の社会情勢により、製造業界・流通業界は大打撃を受けています。原材料を仕入れモノを作って運ぶ工程、すなわちサプライチェーンを管理する部署に対してコンサルティングを行うSC&O(サプライチェーン&オペレーションズ)ユニットでは、どのような課題意識のもとで価値を提供しているでしょうか。平井健志パートナーと開発・製造領域のソリューションをリードしている杉浦紫乃ディレクターに日本の製造業の強さを取り戻すためのビジョンと、求めている人材像について聞きました。

最初に業界における課題の変遷についてどのように認識しているかお聞かせください。

平井

サプライチェーンの中核を担う製造業と流通業では、コロナ禍の前と後で課題が変わってきています。コロナ禍以前は業界自体が新しいことにチャレンジしており、例をあげると、モノからコトへの変化です。その流れで、サプライチェーンにおけるネットワークの作り方が課題としてありました。
加えて、コスト削減を目的としたオペレーションの最適化や、インダストリー4.0の流れを受けた自動化へのニーズが高まっていました。

それがコロナ禍や、経済安全保障問題、米中の貿易摩擦、地政学リスクなどにより、「原材料が手に入らない」「労働力を確保できない」「工場自体が止まってしまった」「税金・規制の問題で物流が複雑化している」といった問題が続々と発生。「有事におけるサプライチェーン」という言葉を使って準備していたにも関わらず、有事が当たり前になったことで、これまで当たり前だったことすらも難しくなってしまいました。サプライチェーンそのものが“傷んでしまった”のです。
傷んだサプライチェーンをどのように回復していくのか、いかにレジリエンシー(弾力性)を持たせてサステナブルに発展させていくのかが現在噴出しているクライアントの悩みです。

クライアントの課題に対して、EYはどのような価値を提供しているのでしょうか?

杉浦

グローバルレベルでネットワークが張り巡らされているサプライチェーンの領域において、グローバルファームは特に重要な役割を担います。今までも有事のリスクは懸念されていましたが、震災や洪水などのようにエリアで限定されるケースが大半で、影響がなかった企業では検討が先送りされてきました。ところが今回は世界全体に影響が及んだことで各企業の課題が一気に顕在化。当事者になり、リスクに対する弾力性の担保に今取り組むべきとなりました。
私たちはこのような課題解決においても、将来の発展を踏まえたソリューションが重要と考えています。EYでは、全世界で未来を起点に現在を考察・展望するフューチャーバックの考え方を提唱しており、長期的な目線で将来を見据えた変革の支援ができることが私たちの強みです。

平井

私たちのパーパス「Building a better working world(より良い社会の構築を目指して)」はEYのすべてのコンサルタントが賛同するものであり、最終的に物事を判断するときはその言葉で考えるカルチャーが根づいています。
サプライチェーンのコンサルティングにおいてもこのフューチャーバックの考え方は欠かすことができません。コスト削減や効率化を目的とした短期的な施策で結果を出さないといけない部分はあるものの、中長期的に「どうなりたいか」のビジョンがないと自転車操業のようになってしまいます。
加えてEYの強みはその中立性です。システム導入あるいはアライアンスを前提としたソリューションを売ることを目的とすることはなく、常にイシューオリエンテッドで長期的な目線での価値提供を追求し続けています。

日本企業のものづくりを再興するためには、どのような取り組みが必要だとお考えですか?

杉浦

旧来の日本企業は、ものづくりの工程の中でも生産準備・製造工程を強みとしてきました。ところがデジタル化やデータ活用が進む中、製造を設計・開発したものを再現するフェーズと捉え、設計開発領域のプラットフォーム化などにリソースを投じることで作業を前倒して進める「フロントローディング」の考え方が世界の製造業の主流になっています。
また、これまでの設計開発・生産・販売の網羅的活動ではなく強みに特化した事業戦略を取る企業や、それら企業と手を組むことで他業界から壁を超えて製造業に新規参入する企業も増えており、私たちグローバルファームとしては、アメリカやヨーロッパ、中国などで進むものづくりの新しい考え方をいち早くキャッチして、クライアントの変革を支援していく必要があります。

平井

EYのサプライチェーンの領域はグローバルで非常に評価が高く、業界のリーダーとして認識されています。世界中で培われたプラクティスを各国のEYと連携しながら日本のクライアントに対して展開し、日本の産業をより強くしていくことが私たちの使命です。
そのためにもEY内でのチーミングが重要となります。社会課題に対してアプローチは、私たちのユニットだけで進められるものではなく、国家戦略のアドバイザーを務めるストラテジックインパクトユニットをはじめ、ファイナンス、リスクマネジメント、テクノロジー、カスタマーエクスペリエンス・トランスフォーメーションなど、他のチームやユニットと常に連携しながらオファリングをつくっているのがEYの特徴です。もちろん海外にある工場を改革するためには現地のEYと組むのが最善ですし、サプライチェーンはモノを運ぶという点で常に税金が絡むためEY TAXとも連携しています。エンドツーエンドのサプライチェーンに対応できるよう、チーミングを通じてユニットの底上げを進めています。

最後にSC&Oユニットで求める人材像についてお聞かせください。

平井

サプライチェーン領域におけるコンサルティングでは、最終的な解決策をテクノロジーに求めるケースが非常に多いです。しかし私たちEYはイシューオリエンテッドでの本質的な課題解決を重視しており、サプライチェーンの変革を促すのは必ずしもデジタルだけではないと考えています。長期的な価値を重視するEYのSC&O ユニットでは、サプライチェーンのエンドツーエンドについて理解が深く、本質的な解決策をフラットに考えられる方が活躍していますし、そういった人材を常に求めています。
また、サプライチェーンの領域は現場感がものすごく重要です。現場における各取り組みがサプライチェーンのエンドツーエンドにどう影響を及ぼしているのか。経営へのインパクトやお金に換算したときにどうなるのか。事業会社にて一つひとつのオペレーションの意味合いを理解しながら働いてこられた方は、コンサルタントとしても絵に描いた餅ではない、実現性のある課題解決策を提示できる傾向にあります。
取り巻く環境や産業構造が目まぐるしく変わる数十年に一度もないダイナミックなステージで、社会課題に対してグローバルファームの力を結集してアプローチしていきたい方、あるいは「日本の製造業をもう一度元気にしたい」という想いを掲げている方、大歓迎です!

杉浦

コンサルタントは予測できない世の中においても、予兆を掴んで予測の精度を上げなければなりません。同時に、予測にズレがあったときのために弾力性を持たせながら対応する必要があります。変わりゆく環境だからこそ、ご自身の経験を抽象化できて自分の中でナレッジ化し、それをもとに見解を出していくことを日々繰り返し実行している方が本質をついた提案をしているように感じます。
私の場合は「自分の正義にあっているか否か」を価値基準に、正しいことは何かを常に考えるようにしています。自分で考えて、自分なりの意見を仮説として生み、他の方の意見と協議しながら固めていくというプロセスがコンサルタントという仕事の醍醐味です。自ら積極的に情報を取得し、仮説を組み立てながら発言できる方と一緒に働きたいと思っています。