プライベート・エクイティ(PE)ファンド セクター紹介

投資先の価値創造に伴走し、
「Japan Inc.」のグローバル競争力を引き上げることが使命。

プライベートエクイティーセクター リーダー シニアパートナー田村 晃一

プライベートエクイティーセクター パートナー長岡 健三

長期的な低成長や少子高齢化に悩む日本には「変革」が起こるのかーー世界中の大手投資ファンドが注視している今、コンサルタントには何が求められるのでしょうか。プライベート・エクイティ・ファンド(PE)とタッグを組んで日本の「変革」を現実のものとすべく企業のバリューをクリエイションする活動を行っている田村 晃一シニアパートナーと、バリュークリエイションと事業価値の創造と「Reshaping」のスペシャリストである長岡 健三パートナーが、PEセクターのビジョンや求める人材像について語ります。

はじめに、プライベート・エクイティ(PE)ファンド市場における最新動向についてお話しいただけますか?

田村

日本におけるPE市場は拡大を続けています。その背景にあるのが、トランスフォーメーションを必要としている日本企業の現状です。海外では「実現できなければ日本は衰退の一途をたどることになるのでは」、「この5、6年がラストチャンスだろう」と囁かれており、我々が考えている以上に日本は待ったなしの状況と言えるでしょう。そこで、日本やアジアのPEファンドや機関投資家だけでなく、世界中のLP(リミデッド・パートナー)が日本マーケットにフォーカスするグローバルPEファンドへの投資を積極化したり、日本のビジネスに精通するPEの専門家を派遣する外資系大手投資ファンドや機関投資家もあるわけですが、このようなマーケットの期待に答えることが今の日本には求められています。

長岡

トランスフォーメーションにおけるPEの役割は、大きく分けて2つあると考えています。1つ目は、業界再編を誘導すること。そして2つ目が、切り離された企業や事業を成長させるためのバリュー・クリエイションをサポートすることです。では、何故このようなことをPEなら実現できるのでしょうか。ポイントは、意思決定の速さや明確さにあると思います。上場企業をはじめステークホルダーが多い状況のまま構造改革などを進めることは、一筋縄では行きません。

田村

PEファンドの傘下に入ると、意思決定やファイナンシャル・リターンに関わるステークホルダーが大幅に減ります。コンセンサス・ビルディングに時間を費やすことなく、上場会社では考えられないスピード感でストラテジー立案や実行ができます。

長岡

最終的に投資先企業を売却し益を得る事によりPEファンドのステークホールダーにリターンをもたらすため、企業価値を高める必要があります。それが最優先事項としてあるので、日本企業特有の商習慣や会社固有のしがらみなどに縛られることなく合理性を追求しやすいのです。

トランスフォーメーションが起こりやすい業界や領域はあるのでしょうか?

田村

事業内容に様々なインダストリーが混在していると起こりやすいと思います。総合商社のビジネスモデルは大変に良い例かもしれません。テクノロジー、インフラ、モビリティー、エネルギー、小売り業界を横断する事業内容の場合もそうでしょう。たとえばテクノロジーと製造業で、ドキュメントソリューション系ビジネスを中核としながらも、センシング技術をメディカルやヘルスケアといった領域にも展開しているケースです。保有しているコアテクノロジーを活用し、デジタルトランスフォーメーションを進め、必要とされるビジネスモデルへと転換していく、まさしくビジネス・ポートフォリオ・マネジメントが鍵を握っていると思います。

長岡

そうですね。日本企業の利益率は、グローバル競合と比べて低い事が多く、国際競争で勝てていない企業が少なくありません。とはいえ、国内人口が確実に減り、市場が縮小していく中、グローバル市場で勝負していかなければ未来は明るくありません。利益率の差を埋めていくためにも、自社のポートフォリオやコスト構造の見直しは避けられないでしょう。

我々コンサルティング・ファームには何が求められているのですか?

田村

企業は現実から目を背けず、まずは現状を自覚する必要があります。経営者が現在直面しているのは、持続可能なビジネスモデルの構築と長期的な価値を視野に入れた上での自身の存在意義の再定義です。どのビジネスに経営資源を集中させ、どのようなステークホルダーとどのような結果にコミットするのか。そのための支援が求められています。

長岡

もう一つ、Purposeに共鳴できる確かなPEファンドをビジネスパートナーとして、最適な投資とバリュークリエーションを行えばトランスフォーメーションを起こすことができます。その際に、PEファンドと上手にコラボレーションする際の橋渡し役となれるのが、我々のようなプロフェッショナルファームです。

EYのPEセクターとしての“Building a better working world”について、どうお考えですか?

田村

達成時期が2030年に迫るSDGsを例に挙げると、長期的なバリュー・クリエーションを考えたとき、SDGsを経営戦略の中心に置かなければならないことは経営者も認識しています。しかし、どのようなストラテジーの中で実行し、ファイナンシャル・リターンを出していくのか、明確な答えを持っていません。そこに大きな課題があり、解決策を導き出すためにも、我々が持つPEファンドのノウハウやネットワークを駆使する必要がある。全ての皆様が同意されると思いますが、最後はやはり「人」です。このような経営者の課題に寄り添う「人」、そして社会課題に寄り添う「人」、が育ち活躍する場を提供することが我々プロフェッションの存在意義であると考えます。ですから、駆使すること自体が“Building a better working world(より良い社会の構築を目指して)”であると私は考えています。

長岡

一方で、日本の中小企業に目を向けると、その数は諸外国に比べて圧倒的に多いです。優秀な技術者を抱え、一社一社は光り輝いていても、事業規模が小さいため海外に出ていくほどの体力がありません。その様な状況の中で、同業者を複数買収しながら事業規模を拡大し、経営資源の共有によってグローバルで戦えるだけの体力を身に着けるロールアップ戦略を進めることも、非常に大事なことだと思います。世界と闘えるようにリードしていくことも、EYのPEセクターの社会的な使命ではないでしょうか。

では、どの様な価値観を持つ人材を迎え入れたいと思いますか?

田村

我々のクライアントであるGP(ジェネラル・パートナー)のステークホルダーは、出資者であるLPです。ということは、我々もLPに対してどれだけのバリューをお返しできたかと日夜考え続けるべきで、そんなマインドセットに共鳴できる方と一緒に働きたいです。

長岡

自分がGPの立場なら、何をすればLPに喜ばれるのかを常に考える。そして、自らプロアクティブに動く。そのために欠かせないのは、想像力だと私は思います。バリューを提供しようとすれば、理屈では通らない出来事にも数多く遭遇するはずです。そういう意味では、胆力やチャレンジ精神も持ち合わせていて欲しいですね。乗り切ればGPもLPも、そして投資を受けた企業もハッピーになれますし、自分自身のキャリアにも間違いなく結びつきます。

田村

LPに対してバリューを提供するとき、PEファンド業界に携わる我々のValue Addは何かというと、一言で言うと、クライアントであるGP・LPのチームに寄り添う「Trusted Advisor」である事です。「Trusted Advisor」としてクライアントに持ち寄るインテリジェンス、アイディア、Value Creation、そしてデューデリジェンスの分析と示唆は高く評価されます。そこにプロ意識を持てない人には務まらない仕事だと思います。PEの世界は言わば、アスリートの世界と同じです。我々を評価するのは、所属する組織ではなく、マーケットであり社会です。ちなみにPEの世界には、PEファンド業界、投資銀行・金融・コンサルティング業界以外にも、国際機関、国家機関や政界・法曹界など各界のトップクラスのタレントも世界中から参画しています。

長岡

それぞれがインテリジェンスや経験値を持ち寄って、あらゆるインダストリーのバリューを創造する。そんな彼らと一緒に仕事ができることは、大きなプラスになりますよね。認められれば、スタープレイヤーとしてどこでも活躍できるはずです。

田村

言わば、グローバル・プロフェッショナルとしての「メジャーリーグ」でプレイしたい方にこそPEファンドセクターをお薦めしたいですね。

最後に、EYでPEに携わる魅力について教えてください。

田村

EYはPEファンド業界におけるプロフェッショナルサービス業界としてのインパクトで世界トップクラスと自負しており、自己成長にもつながる貴重な経験を提供できると確信します。一方で、先ほどアスリートに例えたように、PEファンド業界のビジネスというのは属人的なビジネスです。私は米国系大手グローバル投資ファンドにも以前在籍していましたが、所属先の企業ブランドで選ばれる世界ではありません。そういう意味では、どんなプロフェッショナルと働きたいか、「人」やリーダーシップを見て最終的に判断した方がモチベーションも上がると思います。

長岡

まさに私が、人に惹かれてEYに転職した一人です。働きながら感じるのは、細部に至るまで非常に専門性の高い知見を持つ人材が全社的に多いということです。クライアントが投資した企業の価値を上げるために、取り組むべきテーマが10項目あるとすれば、それぞれの専門家が必ず社内にいます。そして、協力して欲しいと声をかければ、気持ちよく力を貸してくれます。そんなコンサルティング・ファームは、世界中を見渡しても稀ではないでしょうか。

田村

そうですね。他にも例を挙げるとすれば、50年先の世界を予測してロードマップを描くだけというよりも、想定されるDestinationからバックキャスティングして、その世界を実際にクライアントと共にデザインして実現するところまでクライアントに寄り添い伴走する。そこにEYのようなクライアントに寄り添う「Trusted Advisor」となるべくプロフェッショナルサービス「Firm」で働く魅力があると思います。

長岡

自分の目の前で、社会が移り変わっていく。その景色を見たい方には、ぜひ我々にジョインしてもらいたいですね。