テクノロジーコンサルティング 事例

食品流通業における流通履歴管理プラットフォーム構築支援

テクノロジーソリューションデリバリー パートナー梶浦 英亮

クライアントは、日本食や日本の伝統工芸品を海外に紹介・輸出するビジネスを手掛けている企業です。同社は、付加価値の高い食品を最高の状態で海外や日本の消費者にお届けし、食品の本当のおいしさを知ってもらうことをビジネスの目標の一つとしています。単なる仲介業ではなく、海外や日本の食品を正しく消費者にお届けする役割が同社のビジョンです。

そのビジョンを実現するためには、正しい流通管理がなされないまま市場に流通している並行輸入品との差別化や、食品に関する正しい知識の情報発信、適切なターゲットに対してマーケティングするための基礎情報の把握といった、ビジネス上の課題を解決する必要がありました。

これらの課題解決のため、 EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(EYSC)では、日本やグローバルでの知見を活用。食品の流通履歴収集や情報配信、消費情報を一元管理するセキュアな情報共有プラットフォームを開発して、クライアントに提供しました。

具体的には、付加価値の高い食品の流通履歴を管理するために、商品1つひとつに識別のためのIDをつけ、そのIDを利用して、生産情報・流通履歴情報や消費情報の収集を可能としました。

そのIDが生産者から消費者を結ぶことで、生産過程の情報だけではなく、生産者の想い、おいしい食べ方などの情報を消費者に提供できるようになりました。また、生産者はいつ・どこで・どのような属性の人に消費されたのかといった情報を取得できるようになり、マーケティング活動への活用が可能になりました。

このプラットフォームの開発には、スマートデバイスの活用やIoTを利用した情報収集、インターネットサービスを利用した消費者属性の収集等、先進デジタル技術の組み合わせが必要でした。 EYSC では、EYのグローバル各拠点の有識者からの助言とともに開発を進めました。

メンバーの声

シニアマネージャー/テクノロジーソリューションデリバリー香西 貴雄

当プラットフォーム実現の鍵は、各利害関係者と食品流通の履歴管理によるメリットやデメリットを真摯に共有し、理解を得られたことです。食品流通の履歴管理の実現には、バリューチェーンにおける川上から川下までの利害関係者の理解と協力が必須です。そこで、生産者サイドに認証IDを商品1つひとつに貼付していただけるよう、そのメリットを丁寧に説明しました。これにより、流通履歴情報の記録を実現することができました。

シニアコンサルタント/テクノロジーソリューションデリバリー西尾 裕介

クライアントの業務要件を機能要件に落とし込み、開発委託先のEYの海外チームとシステムを構築する役割を担いました。グローバルメンバーと協業しながら、品質・コスト・納期のバランスを維持したシステムを完成させることは想像以上に難しく、苦労の連続でした。特に品質面においては両者の基準に大きな隔たりがあり、何度も折衝を繰り返す必要がありました。海外チームとのコミュニケーションは全てオンラインでしたが、タイムリーで齟齬のないやりとりを心掛け、言語制約や時差がスケジュールに影響しないように注意しました。生活時間帯を深夜にずらして対応することもありましたが、 EYSCでは柔軟な働き方を支援してくれる環境が整っているため、負担に感じることは少なく、むしろ自分のペースで仕事を進められることに、やりがいを感じました。

シニアコンサルタント/テクノロジーソリューションデリバリーBui Thi Thuan

技術担当として最高のソリューションを提供するために、EYのグローバルチームや国内の技術者と協働し、プラットフォームの設計・開発を担当しました。開発については、クラウド環境の構築と、BackEnd(PHP)およびFrontEnd(React, Javascript, HTML/CSS)、Analyticsツール等の各種の技術要素を用いて実施しました。先進的な技術を学びながら実践することで、スキルアップし、自己成長できたと感じています。

行政・自治体向け先端テクノロジーを活用したソリューション開発

ディレクター/テクノロジートランスフォーメーション伊藤 真一郎

この取り組みは、日本政府および自治体向けに今後EY Japanが展開していくソリューション開発を支援するプロジェクトです。

サービス提供先である省庁や自治体は、貴重な税収財源を有効活用し、市民に価値あるサービスや社会課題の解決をいかに効率かつ高品質に提供できるかが問われています。このような課題に対して、 EYSCらしい先端テクノロジーを活用したソリューションサービスを提案し、実装することが当プロジェクトの目的です。

具体的には、以下2つのテーマについて、EYでグローバルに導入実績のある手法を用いてソリューション開発を進めています。

  1. PFM (Public finance management): 官庁会計向けソリューション
  2. CIP (Citizen Intelligence Platform): 児童相談所向けの社会課題ソリューションサービス

Technology Consultingでは、これらのサービス開発にあたり、ブロックチェーンやビッグデータ、クラウド等の先端技術を組み合わせた上で自治体向けに必要なサービスを準備し、PoC等の実証実験を行う予定です。

今後、官公庁に対して未導入のソリューションを導入するため、日本における政策・制度とのすり合わせや、場合によっては法改正や規制改革等の政策提言を行っていく必要があります。政策の最上流における制度研究会に携わる機会もあり、特別な経験が得られるプロジェクトであると考えています。

メンバーの声

シニアコンサルタント/テクノロジートランスフォーメーション千葉 勝太

プロジェクトの構想段階から参画し、計画策定及び全体管理を担当しました。

次世代ソリューションの社会実装に向けては、業界や先端技術など多様な専門性を駆使した総力戦が求められます。加えて、既に実証実験を開始している世界各地において得られた教訓も必要不可欠となります。そこで、EYの多様なプロフェッショナルと同じ目的のもと、国境を超えて協働しています。異なる専門性が相乗効果を生む環境でプロジェクトを推進できることは、刺激的であり貴重な経験であると感じています。

日本ではこのような取り組みの前例はなく、実用化に向けて乗り越えるべき障壁が多く存在しますが、先端テクノロジーに関する知見とEYSCの強みであるグローバルネットワークを駆使し、社会実装に向けて着実に前進しています。このような形で“より良い社会の構築”に寄与できることは、コンサルタントとして大きな喜びであり、魅力を感じています。

シニアコンサルタント/テクノロジートランスフォーメーション永沼 卓也

プロジェクトの立ち上げおよび推進リードのほか、先端技術による業務改革構想・要件策定を行いました。

官公庁・自治体、児童相談所などが潜在的に抱えている社会的な重要課題に対し、EY国内外のプロフェッショナルと協働し、 EYSCにしか成しえない新しい価値を創出すべく進めています。

PoC実施による社外ステークホルダーを交えたプロジェクト推進は、常に困難な課題やリスクが隣り合わせです。難易度の高いプロジェクトといえますが、一方で、マネジメントスキルの向上など自己成長ができる魅力的なプロジェクトだとも感じています。

COVID-19により、“補助金交付による支出増加”や”在宅勤務による児童虐待リスク増加”など社会的課題が浮き彫りとなる中、それらの課題解決の一助となるこのプロジェクトは、社会的意義のある重要な取り組みだと思います。将来的には、本ソリューションを全国自治体へ展開し、官公庁・自治体を基軸とした“より良い社会の構築”に向け、 EYSCコンサルタントとして支援していきたいと考えています。

グローバル拠点を含むセキュリティガバナンス態勢向上支援

サイバーセキュリティリーダー パートナー松下 直

クライアント企業は、海外拠点を含めたサイバーセキュリティ態勢に課題があり、そのためにセキュリティアセスメントやセキュリティ教育を海外拠点に対して実施することが求められていました。また、海外拠点のセキュリティ担当リソースが限られる中、効率的にセキュリティ態勢の改善状況を確認し、インシデントレスポンス能力を向上する必要がありました。

そのような課題に対し、 EYSCはセキュリティガバナンスおよびテクニカルな対策についてのアセスメントと社員向けの教育を実施しました。加えて、海外でインシデントが起きた場合のインシデントレスポンスシミュレーショントレーニングを、各海外拠点のセキュリティ担当チームに提供しました。

標的型攻撃を受けた後、被害が拡大する状況をシミュレーションし、現地セキュリティ担当チームが各システムログを解析、インシデントを検知・特定し、初期対応を実施しました。同時に東京本社との連携を適時に実施するトレーニングを、オンサイトまたはリモートで提供しました。実施後は、本社および各拠点と個別に振り返りを行い、改善すべきポイントをクライアントにご理解いただきました。

実行に当たっては、海外のEYのメンバーファームと連携して行いました。具体的には、EY USが中心になって情報収集を行っているThreat Intelligenceを活用し、社員向け教育研修を提供したほか、インシデントレスポンスシミュレーショントレーニングも提供しました。標的型攻撃メール対応訓練においても、EY GDS(インド)のメンバーと連携し、欧州やAPACのイベントを題材として訓練を企画し、EY GDS のサービスを提供しました。

メンバーの声

シニアマネージャー/サイバーセキュリティ森島 直人

「ダイナミックレンジ」の大きさが本プロジェクト最大のチャレンジでした。対象となる拠点は海外の複数拠点であり、規模も文化も異なる中で、技術的なセキュリティからセキュリティガバナンスに至るまで、広範な観点でセキュリティ対策の水準を向上させていく必要がありました。一気にあるべき姿を目指すのではなく、クライアントと歩幅を合わせながら進めることが求められたのです。

業務の提供に当たっては、EYの海外拠点とも連携し、クライアントの求めるダイナミックレンジを実現しました。

クライアントと議論を交わす中で、「今年度のあの取り組みは良かった」、「次は一歩進めてこれをやってみたい」というお話を頂戴し、Cybersecurity Transformationを一歩一歩、着実にご支援できていることに充実感を感じています。

コンサルタント池上 平充

2年にわたり当プロジェクトに携わったことで、1年目にはできなかったことが2年目にできるようになったという自己成長を実感しています。

1年目は、セキュリティ要領改訂に伴う海外拠点へのセキュリティ要領遵守状況調査と、セキュリティ教育の実施を担いました。2年目は、前年度の活動のブラッシュアップと、海外拠点への現地調査を担当し、データセンター視察やホテルのホールを貸し切ってのセキュリティ研修の講師など、大変貴重な経験をしました。

当初、クライアントの独自性や、海外メンバーとの東南アジア訛りの英語でのコミュニケーションに苦労しましたが、クライアントからは「来年もよろしく」とお言葉をいただくなど、満足度の高い成果を出すことができたと感じています。

コンサルタントカール ヒューベンソール

インシデントレスポンスシミュレーションの準備を担当しました。類似のシミュレーションは何度か経験がありましたが、一から全てをつくり上げるのはこれが初めてでした。

最初は簡単だと思っていたものの、クライアントの環境を想定し、セキュリティインシデントのシナリオを作成し、インシデント調査に使う証跡の疑似ファイルなどをつくる作業は想像以上に骨が折れました。というのも、リアリティのあるシミュレーション訓練をクライアントに提供するには、私の持っていた防御側の視点だけでなく、攻撃者の思考や行動を想定することが重要であったからです。これが本プロジェクトでの私の最大のチャレンジでした。

EYSCではさまざまな案件にアサインされるため、自身の不足している視点や知識に気づかされることが多くあります。 EYSCの強みは、このような場合にサポートしあえる文化と体制にあると感じています。

通信事業者における事務集約センターのデジタル化・高度化支援

テクノロジーソリューションデリバリー パートナー梶浦 英亮

クライアント企業は、日本全国に有する拠点で行われている経理業務を一括集約して実施する事務センターを保有しています。これまでも生産性の向上や、残業時間の適正化を目指して、さまざまな改善活動が行われてきましたが、従来からの手法では限界が生じていました。昨今は新しいデジタル技術が次々と商用化されてきています。これらの新しい技術を活用することで、さらなる業務の高度化と生産性の向上を図ることができないかと立ち上げられたのが今回のプロジェクトです。

EYSCは、まず事務センターの業務を正確に把握し、可視化した上で、改善効果の高い施策や範囲を示すことに着手しました。具体的には、どのように業務の現状や改善状況を評価するのかという基準を定め、それをもとにして業務プロセスの整理と可視化を行ったのです。それらの情報に基づき、業務改善を目指すポイント、ITの導入で改善を目指すポイントを整理しました。ここで、改革に向けた全体像ができあがりました。

次に、その実現に向けての計画策定に着手しました。今回の目玉は、当時、日本国内でもほぼ導入実績がなかったAIソリューションの利用です。製品選定においては、慎重なPoC(実現性評価)や、技術や企業の永続性など多方面から検討を重ねて、AIソリューションを選定しました。

続いてのシステム導入フェーズでは、プロジェクトマネジメントのみならず、技術革新の早い最新のAIテクノロジーを業務導入するにあたり、どのような定量的ゴールを設定し評価するのかを支援しました。

このように、当プロジェクトでは業務分析に始まり、デジタル基盤を活用した実装まで、一連のライフサイクルを通して支援を行うことができました。

メンバーの声

マネージャー/テクノロジーソリューションデリバリー三角 匡史

プロジェクトの発足からシステムのリリース後まで一貫して関与しました。

構想策定フェーズにおけるクライアント幹部とのコミュニケーションをはじめ、現場業務の把握やシステムに落とし込むための要件ヒアリングなど、さまざまな職位のメンバーとコミュニケーションを図りました。

システム化フェーズでは、関係する複数の製品ベンダーを含め、さまざまなステークホルダーとのコミュニケーションとマネジメントを行いました。

AIテクノロジーの利用に際しては、その技術進化の速さを肌で感じました。国内で利用実績がない技術を活用するために、その技術水準を適宜アセスメントし、実際に得られるであろう効果を可視化することで、クライアントの期待値を合わせるといった工夫も行いました。

当プロジェクトを通して、大企業のさまざまな職階の視点や考え方について知ることができたこと、そして最新テクノロジーの活用による企業変革の一端を担う機会が得られたことに感謝しています。

コンサルタント/テクノロジーソリューションデリバリー秦 啓明

当プロジェクトでは、前職では接する経験がなかったクライアント幹部との協議など、企業全体や経営視点での考え方に触れることができました。

また、現場業務の可視化やクライアント担当者とのコミュニケーションのための資料作成、ミーティングでのファシリテーションについて、自身のキャリアとしても多くの経験と学びを得ることができたと感じています。

今回は、国内で導入実績がほぼないテクノロジーを導入するということで、うまくプロジェクトが完了できるだろうかといった不安もありました。無事リリースすることができ、クライアントから感謝の言葉を頂戴した時、プロジェクトで苦労した点も含めて、コンサルタントとしてのやりがいを実感しました。